
「せっかく福島でフェスを楽しむなら、この土地でしか味わえない最高のフルーツと日本酒を堪能したい」——そう思いながら会場へ足を運ぶ方も多いはずです。
しかし、「なぜ福島のフルーツは年中途切れることなく甘いのか」「県民から愛される本当においしい地酒の深みとは何か」という背景を知ると、会場で手にする一杯や一口の味わいは、驚くほど立体的に変わります。
今回は、福島の「フルーツ」と「日本酒」の魅力を知り尽くした2組のキーマンに直撃取材。産地だからこそ出合える独自の果物カルチャーから、全国的にも稀有な酒造りの舞台裏まで。プロの言葉に耳を傾け、LIVE AZUMAの会場で待ち受ける「最高の味覚体験」への扉を開けてみてください。
【フルーツ編】市場のプロが語る「旬のバトン」と産地ならではの贅沢

「福島中央青果卸売(株)」代表取締役 横山広一さん
初夏のさくらんぼから冬のりんごへ。主役が入れ替わる「フルーツのバトン」
「福島の果物の真のすごさは、単に『桃が有名』という点だけではありません」と語るのは、市場の目利きとして長年果実を見つめてきた「福島中央青果卸売(株)」の横山広一さん。
福島盆地特有の強烈な暑さと昼夜の寒暖差は、果実の糖度を極限まで高める絶好の環境です。そして最大の魅力は、初夏のさくらんぼに始まり、夏の桃、秋のぶどうや梨、冬のりんごへと、1年を通して絶え間なく旬の果物が主役を交替しながら届く「果物のバトン」にあります。
「やっぱり『福島で食べる果物』だからこそ特別なんです」と横山さん。たとえば、首都圏ではなかなか味わえない、収穫直後のキュッと締まった「硬い桃」を味わうことができるのも、産地・福島だからこそ成り立つ最高の贅沢。
さらに、秋のフェスシーズン(10月中旬)は、シャリ感と果汁が溢れる晩生の梨や、甘みの乗ったぶどう、走り始めのりんごが市場を賑わせる絶好のタイミング。街中のフルーツライン(県道5号)沿いに点在する「フルーツロッカー(無人直売所)」では、朝採れのフレッシュな果物や無添加ジュースが格安で手に入るなど、この街には日常の中にみずみずしいカルチャーが根付いています。

盆地の寒暖差が育む圧巻の糖度。市場から届くフレッシュな果実が街を彩る

フルーツ王国・福島が育む極上の桃。フレッシュでもぎたての味わいをそのまま楽しむ体験は、現地・福島でしか味わえない。
【コラム】街のユニークな食カルチャー「フルーツロッカー」巡り

©福島市観光ノート(一般社団法人福島市観光コンベンション協会)
ドライブついでに宝探し!福島の「フルーツロッカー」とは?
フェスへの行き帰りや街歩きの際にぜひ体験してほしいのが、道路沿いの畑脇や店舗脇に突如現れる「フルーツロッカー(無人直売所)」です。
主に福島市の西側を走る県道5号(通称:フルーツライン)などに設置されており、コインを投入すると採れたての果物が手に入るユニークな自動販売機。10月中旬のフェス期には、収穫したての「早生ふじ(りんご)」や晩生の梨、濃厚な果汁100%ジュースなどが1箱・1袋300円〜500円ほどの格安価格でぎっしり並びます。
🍎フルーツロッカー攻略のコツ
・100円玉と500円玉を用意:無人販売のため両替機はありません。小銭を用意して挑むのが鉄則!
・狙い目は午前中:朝8時〜9時の補充直後が勝負。人気スポット(上名倉の「大友農園」や八木田の「れぎゅーむれぎゅーむ」など)はお昼前に完売することも。
・「道の駅ふくしま」周辺もチェック:ロッカーが売り切れでも、近隣の「道の駅ふくしま」内の巨大直売所で農家直送の果物が手に入ります。

©福島市観光ノート(一般社団法人福島市観光コンベンション協会)
【日本酒編】街の酒屋が語る「伏流水と人が醸す、暮らしの地酒」

「越後屋」水田裕大さん
表現の多様性が開花する。水と、米と、人が織りなす「自分たちの酒」
「福島の酒のレベルの高さは、水、米、そして知識を分かち合う『人の結びつき』が混ざり合って生まれています」。そう話すのは、県内各地の数多くの銘柄を取り扱い、日々県民に本物の地酒を届け続けている福島市内の酒屋「越後屋」の水田裕大さん。
磐梯山などの豊かな山々がもたらす清らかな伏流水(軟水)は、発酵を穏やかに進め、まろやかで雑味のない口当たりを育みます。そこに県産の酒造好適米「福乃香」や「夢の香」が持つ柔らかで豊かな旨味が重なり合います。
さらに特筆すべきは、県内の蔵元同士の距離の近さ。若手の蔵元たちが集う有志の集まりなどを通して、県の技術センターとともにその年のお米の傾向や醸造技術をオープンに共有し合う風土があります。ライバルでありながら垣根を越えて高め合う絆が、県全体の底上げを支えています。
さまざまな経験や歴史を経て、今の福島には各蔵が真に目指す「表現したい酒・食中酒」をのびのびと追求する自由で心地よい空気感が漂っています。「評価のためではなく、自分たちが心から旨いと思える酒造りへシフトしているように感じます」と水田さん。
会津のジューシーな深み、中通りのポップな華やかさ、浜通りの軽快な淡麗さ。青空の下、音楽とともに味わう福島のお酒は、きっとあなたの気分をどこまでも晴れやかに盛り上げてくれるはずです。

伏流水と米、そして技術を共有し合う蔵元の情熱。盃を満たす一杯にそのすべてが宿る

会津・中通り・浜通りから集う個性豊かな銘柄たち(左から「天明」「寫樂」「廣戸川」「金水晶」「磐城壽」)。水と米、そして蔵人たちの絆が醸す多種多様な表情が、福島の日本酒カルチャーの奥深さを物語る
■次回予告
プロの情熱を、会場で味わう。次回【地物グルメ&地酒ブース】大特集!
今回明かされた、途切れることなく手渡される「果物のバトン」と、蔵元のこだわりが詰まった「地酒」のストーリー。
「LIVE AZUMA 2026」の会場では、これら極上の地物果実を贅沢に使ったスイーツやフレッシュドリンク、そして「寫樂」や「宮泉」をはじめとする選りすぐりの地酒ブースが皆様をお迎えします!
プロの誇りが詰まった一杯・一口を、会場のどこで味わえるのか——気になる出店ラインナップと限定メニューの全貌は、次回公開の【地物グルメ&ドリンク編】にて詳しくお届けします。どうぞお楽しみに!
【取材協力】
●福島中央青果卸売株式会社
市場施設への一般入場・見学は原則として事前のお手続きが必要ですが、年に1度開催される
「わくわく市場まつり」などの一般開放イベント時は、事前手続きなしでご自由にお入場いただけます。
所在地:福島市北矢野目字樋越1
HP:https://f-maruka.co.jp/

「福島中央青果卸売株式会社」代表取締役社長の横山広一さん(中央)と佐藤来夢さん(左)、佐藤俊之 さん(右)
●越後屋
地酒専門店。
所在地:福島県福島市黒岩遠沖1-1
ホームページ:https://1963.jp/
1963年創業。品質管理とお酒の品揃えにこだわった、県内外から多くの日本酒ファンが訪れる

「越後屋」代表取締役社長の水田博さん(左)と裕大さん(右)