
フェスの会場で、何を食べよう。
これは、どのアーティストを観るかと同じくらい悩ましい問題かもしれません。
肉が焼ける香ばしい匂い。
何かを揚げる音。
店先に並ぶ料理。
さっきまで音楽のことで頭がいっぱいだったのに、フードエリアを前にした途端、今度は「何を食べよう」で頭がいっぱいになります。
LIVE AZUMAにも、そんな迷いをさらに深くしてくれるフードがずらりと並びます。
ガツンとお腹を満たしてくれるものもあれば、派手ではないけれど妙に惹かれるものもあります。
ひと手間を加えることで生まれる味があり、土地の素材から生まれた甘いものもあります。「福島グルメ」と一言で言っても、お店により、メニューにより、その表情はずいぶん違うものです。
だったら、いろいろ食べてみよう。
豪快なものから、甘いもの。
料理から、地域へ。
料理から、人へ。
会場に並ぶ一皿をたどっていくと、そこにはちゃんと福島の風景が続いています。
ライブのそばには、おいしい福島がある。
さて、何を食べようか。

抗えない、焼ける肉の匂い。
やっぱり肉を、豪快にいきたい
(秘伝のタレ豚丼 豚壱)
会場で食べたいものはいろいろあるけれど、やっぱり空腹を満たしエネルギーをチャージしてくれるのは、理屈抜きで肉ですよね。
「肉が食べたい」。
動機はただ、それだけでいい。
肉が焼ける音がして、煙が上がって、香ばしい匂いが漂ってきたら、肉のステージ開幕です。
バーガー、丼、串焼き…。
会場には食欲を真正面から刺激してくるメニューがいくつも並びますが、その中でもこの潔さには抗いがたい。
『秘伝のタレ豚丼 豚壱』の「豚丼」です。
白飯の上に、どっさりと豚肉。
艶々と絡んだタレに、香ばしい焼き目。
ど真ん中直球勝負のこの一杯。

なんとも美味しそうなビジュアル…
肉を頬張って、白飯をかき込む。
また肉。
そして白飯。
「今日はガッツリいきたい」。
そんな気分を、これでもかと満たしてくれる一杯。
こういうシンプルな料理ほど、つくる側の仕事がそのまま味に出るものです。
『豚壱』は、明治元年にうなぎ料理店として福島県富岡町に創業。その先祖代々受け継がれてきたタレをアレンジしたのが「秘伝のタレ豚丼」で、香ばしく焼かれた豚肉と甘辛いタレの組み合わせが絶妙です。

現在は、道の駅ならはのすぐ近くにお店を構える『豚壱』
フェス会場には、ほかにも食欲を直撃する肉料理がたくさんあります。
何を選ぶかは、そのときの腹具合次第。

煙の向こうで肉が焼けているのを見てしまったら、たぶん素通りするのは難しい
派手じゃない。
でも、こういうのが美味しい。
(叶や豆冨 大椙食品)
一方で、フェス飯の面白さは「デカい」「多い」「映える」だけではありません。
普段なら何気なく食べているもの。
地元では、いつもの味として親しまれているもの。
そんな飾らない味に出合えるのも、地元で開催されるフェスならではです。
たとえば、『叶や豆冨 大椙食品』の焼き油揚げ。

アテにも最高。福島のお酒を片手に楽しみたい
美しい焼き目。
漂ってくる香ばしい匂い。
見た目は驚くほどシンプルなのに、これが妙にそそられます。
この味の出発点は、地域で普段から続いている豆腐づくりにあります。

業界の多くは作業が機械化される中、『大椙食品』は手作業を大事にする
豆腐づくりにおいて重要なのは「水」。
『大椙食品』は、阿武隈山系に属する丘陵地と八溝山系の山岳地帯に囲まれた、自然豊かな福島県棚倉町にあります。創業時より、地下からくみ上げた美味しいお水を使用し、大豆の旨味を引き出しています。
また工程の多くを手作業で行っており、熟練の職人の感覚で、機械には出せない絶妙な味わいを実現し、地域や料理店で長年愛されています。
全国から人が集まる大きな音楽フェスに、地元で作られ愛されてきた一枚の油揚げが並ぶ、それがLIVE AZUMA。
有名な郷土料理や観光客に人気の名物だけが、その土地の味ではありません。
いつもの店で、いつものように作られているものにも、その土地らしさは宿っています。
LIVE AZUMAのフードを見渡すと、そんな福島に出合えます。
ひと手間で、いつもの食材が化ける。
(燻製工房 木香)
素材そのもののおいしさを楽しむのもいいけれど、食材にひと手間を加えることで生まれる味もあります。
漬ける、煮込む、発酵させる、燻す。
作り手のアイデアや技によって、見慣れた食材が「こんな味になるんだ」と驚く一品に。
そんな楽しさを味わえる一つが、『燻製工房 木香』です。
LIVE AZUMAでも、燻製岩魚、燻製ナッツなどの燻製商品が多彩に並びます。
なかでも気になるのが、燻製豆腐と燻製玉子です。


燻製玉子と燻製苞豆腐(つとどうふ)。苞豆腐はみそ味としお味があります
豆腐も、玉子も、誰もが知っている身近な食材。
ところが、じっくり燻すことで、いつもの味とは違った表情を見せます。
玉子は、ローズマリーを食べて育った鶏の卵を、出し醤油に一日漬け込み燻製に。大きめサイズの玉子にかぶりつくと、柔らか半熟の黄身。フェスの会場でこんなに完成度の高い燻製に出合えるなんて。 豆腐は、会津伝統の苞豆腐(つとどうふ)を使用しており、ふくしま特産品コンクール大賞を受賞している逸品です。まるでスモークチーズのような香りと食感ですが、味わうほどに豆腐の旨味が感じられます。

すべての工程を手作業で行う
福島市立子山に小さな山小屋を構える『燻製工房 木香』。下ごしらえから味付け、乾燥、燻製、パッケージングまですべての工程を手作業で行っています。
燻製には厳選した山桜のチップを使用することで、クセが少なく素材本来の味が引き立ちます。食材と季節や湿度により、その時々で燻製時間、温度、乾燥時間を調整。添加物、着色料等は一切使用していません。
同じ素材でも、つくる人が変われば、味も変わる。
その素材をどう料理し、どう加工し、どんな一品に仕上げるのか。
そこにも、この土地で食に向き合う人たちの個性があります。
フェス会場で見慣れない一品を見つけたら、「これ、何だろう」と試してみる。
そのひと口から、福島のつくり手の仕事までのぞいてみる。
そんなフェス飯も、なかなか面白そうです。
スイーツにも、「産地」がある
(ファームつばさ)
スイーツだって、福島の食を知る入口になります。
果物を使ったもの。
ミルクを使ったもの。
地元の素材を生かしたもの。
フェス会場に並ぶスイーツを見ていると、甘さの向こうにも、それぞれの産地があることに気づきます。
そのひとつが、福島県鮫川村の牧場から届くミルク。
「さめがわジャージーミルク」を使ったソフトクリームをぜひ味わっていただきたい。

甘くミルキーで生クリームのような濃厚さを感じるのに、あっさりした後味。
この味の始まりにいるのが『ファームつばさ』のジャージー牛だ。

『ファームつばさ』では、一頭ずつ名前をつけ、我が子同様に大切にかわいがっています
『ファームつばさ』は福島県南端の山奥、鮫川村で酪農を営む小さな牧場。
飼育されている牛はすべてジャージー牛で、赤毛とくりっとした目が特徴的。
ジャージー牛は乳量が少ない代わりに、濃厚で味わい深い牛乳を産出します。そして、『ファームつばさ』では牛乳を一頭ずつ丁寧に手作業で搾っています。毎日一頭ずつ牛の顔を見て、声をかけて、乳房に触れ、牛たちと向き合いながら搾乳しています。
フェス会場で手にする小さなスイーツ。
そこから視線を広げてみれば、牧場があり、牛がいて、牛を育てる人がいます。
何を食べるかによって、その向こうに見えてくる福島の景色も変わっていきます。
それも、LIVE AZUMAで味わう面白さなのです。
その一皿にある福島のストーリー
ガツンと腹を満たすフェス飯。
地元でずっと作られてきた味。
つくり手のひと手間から生まれる味があり、村で生まれるミルクがあります。
今回は、そのいろいろな表情を、ほんの少しだけのぞいてみました。

もちろん、これで全部ではありません。
同じ肉料理でも、隣の店をのぞけばまったく違う一皿があります。
同じ食材だって、つくり手が変われば、まったく違う味になります。
福島県内のさまざまな店や作り手が、それぞれのストーリーを持って、「美味しい一皿」をLIVE AZUMAで提供しています。
ひとつの料理を入口にして周りを見渡せば、まだ知らなかった「福島のおいしいもの」が、きっとほかにも見つかるはずです。
福島から、東北へ
そして、視野をもう少しだけ広げてみたい。
LIVE AZUMAには、実は東北各地からもそれぞれの土地の味が集まってきています。
例えば、岩手からやってくる『岩手三陸かき酒場』の焼きカキや、山形の『後藤屋』の山形名物いも煮汁。
ここ、福島は東北の玄関口。
LIVE AZUMAもまさにその通りで、会場にいながら東北の多彩なグルメに出合えます。
食欲の赴くまま、福島から東北に、楽しみを広げていってみませんか。

